抄録
18種類の市販光重合コンポジットレジンをメーカ指示にしたがって重合し,その物理的並びに機械的性質を測定するとともに,それらの物性間の相関性を検討した。
メーカ指示の照射時間をまもって重合した試料の硬さは,照射後も増加し,24時間後にはほぼ一定値に達する傾向を示した。
硬さと弾性率はフイラーの充填率に大きく依存した。一方,圧縮強さとフイラー充填率との間には相関性は認められなかった。また光重合レジンは光を照射した表面から硬化するために,重合時のレジンの収縮量の殆どが窩底部に生じていた。歯ブラシ摩耗においては,無機物フイラーの含有量が増加すると耐摩耗性が増加する傾向が認められた。