Dental Materials Journal
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金銀パラジウム合金の0.9%生理食塩水中での腐食挙動について
第1報 腐食産物の表面分析
松田 浩一荊木 裕司坂井 秀行宇野 豊下河辺 宏功大川 昭治近藤 清一郎太田 守
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1987 年 6 巻 1 号 p. 1-8,119

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抄録
金銀パラジウム合金は,我が国においてはインレー,クラウン,ブリッジ等広く臨床に使用されている。金銀パラジウム合金は,我が国においてはインレー,クラウン,ブリッジ等広く臨床に使用されている。
この合金は,金,白金族含有量が十分でないので,耐食性が問題になる。
そこで今回,市販金銀パラジウムの食塩水中での腐食挙動を,電気化学的手法と光電子分光法と反射電子回折法を用いて分析し,次の結果を得た。
1) この研究に用いた合金は,-100mV以下の電位においては,腐食されない。
2)電位が0mVから300mVまでの間ではこの合金中のAg, Cuが酸化される。400mVと500mVにおいては,腐食表面にAgClとCu(OH)2が見られる。そして, AgClの量は, Cu(OH)2に比べて多い。
3)この合金中のPdは,400mVと500mVではPdO2に酸化される。
4) この合金中のAuは,500mVまでは,酸化されない。
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