抄録
マイクロ波による義歯作製法を検討する一手段として,マイクロ波照射下での連続温度測定を試みた。クロメルーアルメル熱電対をインコネル細管中に封入することにより,熱電対への電磁波障害を除去することができた。
フラスコ内の水(50ml)の温度上昇を500Wと50Wの条件下で測定し.水銀温度計による測定の結果と比較した。500Wでは,水の沸騰は1分以内に観察されたが,熱電対法により,約45秒に100°Cに達していることが明らかとなった。50Wでは,3秒間のマイクロ波照射が32秒の周期でおこり,加熱開始後約6分に100°Cを記録したが,これは短時間の照射のため肉眼観察や水銀温度計ではとらえられず,水の沸騰が観察されたのは,加熱開始後約10分であった。