薬物動態
Print ISSN : 0916-1139
Ritipenem Acoxilの生体内動態(第2報):ラットにおける反復投与後の吸収,分布,代謝,排泄
江角 凱夫二宮 真一関 英昌魚浜 克己郡司 忍木村 智田中 昌良初岡 政典
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1996 年 11 巻 2 号 p. 178-187

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抄録

14C-RIPM-ACの30mg/kgを雄性ラットに1日1回,最高21回反復経口投与し,その吸収,分布,代謝および排泄について検討し,以下の知見を得た.
1.毎回投与後24時間における血液および臓器・組織内放射能濃度は21回投与までに定常状態に達する傾向を示した.白色脂肪への蓄積は大きかったが,その他の臓器・組織はいずれも単回投与群の8倍以下であった.
2.21回投与後の血液および臓器・組織からの放射能の消失は単回投与群に比べて遅延が認められ,特に中枢神経系,動脈,白色脂肪,骨格筋,眼球,皮膚および気管からの消失が遅かった.
3.21回投与後の血漿中主代謝物はRIPMおよび極性代謝物であり,その濃度は投与後8時間において単回投与群の3倍を示した.
4.尿,糞中への排泄は,投与回数を重ねるにつれて,尿中への排泄がわずかながら減少する傾向が認められた.尿中主代謝物はRIPMおよびP1であったが,単回投与群と比較してP1の占める割合が減少し,極性代謝物が増加した.

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© 日本薬物動態学会
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