1998 年 13 巻 2 号 p. 133-138
BX661Aの体内動態を明らかにする目的でDSS誘発潰瘍性大腸炎モデルラットを用いて,血漿中濃度および消化管内挙動について正常ラットと比較検討し以下の結果を得た.
1.14C-BX661AおよびBX661AをDSS誘発潰瘍性大腸炎モデルラットに投与したとき,血漿中放射能濃度および未変化体ならびに各代謝物の薬物動態学パラメータは正常ラットと同様の結果であった.
2.BX661Aを正常およびDSS誘発潰瘍性大腸炎モデルラットに投与したとき,薬物の消化管内挙動は両ラットで類似していた.投与後2時間までの胃および小腸内には投与量の80%以上が未変化体として存在し,代謝物はいずれの時間においてもほとんど検出されなかった.一方,盲腸および大腸では未変化体はわずかしか認められず,投与後6~14時間にはほとんどが代謝物として存在していた.