薬物動態
Print ISSN : 0916-1139
ロイコトリエン拮抗剤ONO-1078の体内動態(第3報): ビーグル犬に単回投与後の吸収,分布および排泄
石堂 雅恒阪口 喜美子高本 まゆみ澤田 正文愛下 秀毅神 義容片見 好春三宅 隆行野上 貴祐
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1993 年 8 巻 1 号 p. 39-47

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抄録

雄性ビーグル犬にONO-1078(4-oxo-8-[4-(4-phenylbutoxy)benzoylamino]-2-(tetrazol-5-yl)-4H-1-benzopyran hemihydrate)を投与後の体内動態について検討した.
1.8あるいは30mg/kgを経口投与後の血漿中未変化体濃度は,それぞれ投与後1.7および2.7時間に最高濃度69あるいは238ng/mlに達した.半減期に有意差は認められなかった.4mg/kgを静脈内投与後のAUCをもとにして求めたbioavailabilityは,それぞれ4.8および2.7%であった.
2.14C-ONO-1078を4mg/kg経口投与後の血漿中放射能は,投与後1.3時間に最高濃度28ng eq./mlに達し,半減期7.2時間で減少した.4mg/kgを静脈内投与後のAUCをもとにして求めたbioavailabilityは2.8%であった.
3.14C-ONO-1078を4mg/kg経口投与したとき,投与後120時間における組織内放射能は,肝臓,腎臓,甲状腺および血液にわずかに認められたが,他の組織では検出されなかった.
4.14C-ONO-1078を4mg/kg経口あるいは静脈内投与したとき,投与後120時間までに放射能はそれぞれ糞に99.7および99.6%,尿中に0.4および1.9%排泄され,いずれも糞が主排泄経路であった.
5.14C-ONO-1078を4mg/kg経口投与したとき,投与後48時間までに胆汁中に4.9%が,尿中には0.3%が排泄された.
6.以上のように,ONO-1078は消化管から長時間にわたって吸収され,主として胆汁を介して糞中へ排泄された.

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