薬物動態
Print ISSN : 0916-1139
ロイコトリエン拮抗剤ONO-1078の体内動態(第2報): ラットに反復経口投与後の吸収,分布,排泄および薬物代謝酵素への影響
石堂 雅恒柴川 公雄澤田 正文愛下 秀毅
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1993 年 8 巻 1 号 p. 27-38

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抄録

ONO-1078(4-oxo-8-[4-(4-phenylbutoxy)benzoylamino]-2-(tetrazol-5-yl)-4H-1-benzopyran hemihydrate)をラットに反復経口投与したときの体内動態および肝薬物代謝酵素に対する影響について検討した.
1.3H-ONO-1078を2mg/kg/day1日1回15日間反復経口投与したとき,各回投与後24時間の血漿中放射能濃度は5~7日目までにほぼ定常状態に達した.
2.14C-ONO-1078を2mg/kg/day1日1回7日間反復経口投与しても,臓器および組織内への蓄積は認められず,最終投与後の消失も速やかであった.
3.3H-ONO-1078を2mg/kg/day1日1回7あるいは15日間反復経口投与したとき,肝臓や腎臓など多くの臓器で7日目までにほぼ定常に達した.しかし,白色脂肪および褐色脂肪では,15日間の反復投与では定常状態に達せず,これらの組織では蓄積傾向が認められたが,毒性に影響をおよぼすものではないと考えられた.
4.14Cあるいは3H-ONO-1078を2mg/kg/day反復経口投与したときの尿および糞中への放射能の排泄は単回投与の場合と同様であった.
5.ONO-1078は1.0g/kg/day1日1回15日間の反復経口投与したとき,肝重量が対照群の1.08倍増加したが,ミクロゾーム蛋白量および薬物代謝酵素活性には影響を与えなかった.

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