大学入試研究ジャーナル
Online ISSN : 2187-6762
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解答形式とパフォーマンスに関する実証的研究
安野 史子浪川 幸彦森田 康夫三宅 正武西辻 正副倉元 直樹林 篤裕木村 拓也宮埜 寿夫椎名 久美子荒井 克弘村上 隆
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2013 年 23 巻 p. 143-150

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抄録

本研究は, 試験によって測れる能力の, 解答形式による違いを実証的に調べることを目的とする。取り上げる解答形式は, 数学では, 多肢選択形式, 自由記述形式及び大学入試センター試験に採用されている穴埋め (マークシート) 形式の3種類, 国語では, 多肢選択形式, 自由記述形式及び条件を付した記述形式の3種類とする。同一問題をそれらの形式に従って作り直し, 大学1年生に受験させた。その結果, 国語については, 多肢選択形式の正答率が記述形式の正答率を上回る傾向がみられたが, 数学については, 特定の解答形式の正答率が高く, あるいは低くなる特徴は観察できなかった。しかし受験者の得点層別に見ると, 上位層において, 穴埋め (マークシート) 形式が解の形態を提示しているためそれがヒントとなり, 正答率が他の形式を上回る場合が見られた。

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© 2013 独立行政法人大学入試センター
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