2013 年 23 巻 p. 135-142
仮名分かち書きを用いる日本語点字を使用する重度視覚障害者を対象とする教育課程においても, 漢字を用いた日本語文書作成技術を使いこなす基礎となる能力の教授法とテスト方法の確立が期待されている。初等・中等教育における漢字の指導・解説や試験問題における注記の付与の統一は, 不十分な状態にとどまる。共通1次試験およびセンター試験の「国語」第1問・第2問点字冊子問題の注記付与は, 音声単語親密度の分布, 国語辞書ないし教育基本語彙との対照からおおむね妥当と考えられる。他方, 注記が付された理由が判然としない語も存在し, 注記付与支援システムの開発が望まれる。