大学入試研究ジャーナル
Online ISSN : 2187-6762
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23 巻
選択された号の論文の32件中1~32を表示しています
  • ――京都工芸繊維大学のダビンチ入試の場合――
    内村 浩, 山本 以和子
    原稿種別: 原著
    2013 年 23 巻 p. 1-5
    発行日: 2013年
    公開日: 2023/12/10
    ジャーナル フリー

    まず, これからの入試をデザインするための視点として, 高校と大学の「学びの接続」を取り上げ, その現状と課題について検討した。次に, そうした問題意識に基づいてデザインされた入試の事例として, 京都工芸繊維大学のダビンチ入試を紹介した。最後に, 新しい時代に対応した入試をどのように構築するかについて, 学力観と高大連携に関連づけて論じた。

  • ――島根大学入試センターの取り組みの検証をもとに――
    雨森 聡, 森 朋子, 田中 均, 濱名 篤, 濱名 陽子, 佐藤 広志, 芝野 淳一, 山内 乾史, 川嶋 太津夫
    原稿種別: 原著
    2013 年 23 巻 p. 7-13
    発行日: 2013年
    公開日: 2023/12/10
    ジャーナル フリー

    高校生の進路選択に関する知見を参考に, 受験者の掘り起し等の入試戦略を立てることが可能である。その戦略について社会調査データを用いて検証し, 課題について述べることが本稿の目的である。分析より, 島根大学入試センターの受験者の掘り起こし戦略の対象が妥当であることや, AO入試の有り方を再検討する必要があることが明らかになった。

  • ――東京教育大学から筑波大学への「移転」を事例として――
    大谷 奨, 本多 正尚, 島田 康行, 白川 友紀
    原稿種別: 原著
    2013 年 23 巻 p. 15-20
    発行日: 2013年
    公開日: 2023/12/10
    ジャーナル フリー

    大学にとって設置場所の移転は大きなイベントである。1970年代はキャンパスの整備や統合という側面から大学移転がすすめられたが, その際移転に伴う志願者や入学者層の変化にも少なくない関心が払われてきた。では実際に移転によってどのような変化が生じたのか (または生じなかったのか)。本稿は東京教育大学の入学者と筑波大学の入学者をその属性 (出身県, 高校) から比較した。移転によって明らかに首都圏からの入学者は減少し, また出身高校も多様化したが, それらは志願者数や入学難易度の変化にはあまり影響しなかったことが認められる。

  • ――福井大学工学部の事例――
    大久保 貢
    原稿種別: 原著
    2013 年 23 巻 p. 21-26
    発行日: 2013年
    公開日: 2023/12/10
    ジャーナル フリー

    一般入試における各地区 (北陸地区、東海地区、関西地区) からの志願状況の年次推移について調査を行った。その結果、10数年前から関西地区からの志願者の占める割合が北陸地区、東海地区と比較して低減していることが分かった。そこで、関西地区の高校を訪問し、その原因を調査した。アドミッションセンターではその調査結果を踏まえて関西地区における入試広報に重点を置いたところ、関西地区からの志願者数は前期日程入試で約1割、後期日程入試で約2割の増加が認められた。

  • 木村 拓也, 池田 光壱
    原稿種別: 原著
    2013 年 23 巻 p. 27-35
    発行日: 2013年
    公開日: 2023/12/10
    ジャーナル フリー

    近年, 大学院進学についての説明を国立大学の学生獲得場面では求められることが多い。調査により, 大学院の進路指導は担当教科別というよりはむしろその高校教員の大学院経験に依拠することが分かった。理系以外の教員に対しては博士課程に関する詳細な情報を, 偏差値レベルが低い学校群に対しては奨学金などの経済的な説明を多くすることが, 理系大学院の進学イメージを幇助することを明らかにした。

  • ――時系列データ解析の適用――
    倉元 直樹
    原稿種別: 原著
    2013 年 23 巻 p. 37-43
    発行日: 2013年
    公開日: 2023/12/10
    ジャーナル フリー

    志願者数の増減には各大学とも神経を尖らせ, 志願者確保に多大な労力を注いでいる。一方, 様々な攪乱要因によって志願動向が左右されている現実もある。本研究では29年間にわたる東北大学一般入試前期日程試験の志願者数等のデータに対して, 時系列データ解析の手法を適用し, 志願動向の隔年現象の析出を試みた。全受験者に対してはモデル適用の前提が満たされなかったが, 特定学部に対しては時系列データ解析の手法が有効で, 隔年現象が見出された。

  • ――A大学及びB大学の農学部に着目して――
    井上 敏憲
    原稿種別: 原著
    2013 年 23 巻 p. 45-50
    発行日: 2013年
    公開日: 2023/12/10
    ジャーナル フリー

    隣接する2県にあるA大学及びB大学の農学部前期日程について, 志願倍率の推移を比較した。両大学の倍率が入れ替わるなど対照的な動きもあるが, 全体としてはB大学の志願倍率が高い。倍率変動の要因として, 受験産業がセンター試験自己採点集計サービスとして受験生に提供する合否判定を仮定し, 両者の関係を見た。その結果, いわゆるボーダーラインが上って難化が予想されると志願倍率は低下し, 易化が予想されると上昇していることが観察できた。また, 両大学が発表している合格者のセンター試験成績からは, 倍率では優位なB大学が成績上位者を選抜できているわけではないことが示された。

  • 高木 繁
    原稿種別: 原著
    2013 年 23 巻 p. 51-56
    発行日: 2013年
    公開日: 2023/12/10
    ジャーナル フリー

    センターリサーチの結果に基づく輪切りは, 受験者の動向に最も大きく影響を与えている。河合塾のセンターリサーチの結果と, 名古屋工業大学の受験生の分布を比較することにより, 輪切りの状態を調査した。志願変更の様子より, 確かにセンターリサーチによる影響は大きいものの, 名古屋大学工学部との二次偏差値の差により動向はかなり変化すること, 後期においてはそれほど輪切りという状況になっていないことを確認した。

  • ―全米学力調査NAEPでの実施例を中心として―
    石岡 恒憲
    原稿種別: 原著
    2013 年 23 巻 p. 57-62
    発行日: 2013年
    公開日: 2023/12/10
    ジャーナル フリー

    従来の紙筆テストに替わって行なわれつつあるコンピュータによる作文テストについて, 全米学力調査 (NAEP) を例にとり, その仕様や電子化の背景, 及び自動採点されない理由について論考する。またNAEPで実施されていない作文の自動採点について, 以前NAEP作文テストの採点に使われていたE-raterと, 今後使われることが予想されるIntelliMetricの仕様を紹介する。NAEPにおける次回の作文テストは2017年に行われることが既に決定しているが, IntelliMetricのESL e-Writeの設問とのすり合わせが自動採点に向けた今後の課題になっている。

  • 吉村 宰
    原稿種別: 原著
    2013 年 23 巻 p. 63-70
    発行日: 2013年
    公開日: 2023/12/10
    ジャーナル フリー

    2008年度から2011年度に実施した新入生を対象とした「入試広報活動」に関する調査データを総合的に分析し, オープンキャンパス参加状況や受験校決定理由, 入学時の「気持ち」の特徴を抽出した。また入学時の「気持ち」及び1年時前期の学業成績と受験校決定理由との関連を検討した。その結果, ①オープンキャンパス (OC) への参加経験者の割合の年度による違いはない, ②OCへの参加時期は高校1年時が増え高校3年時が減っている, ③学外説明会への参加者が減っている, ④受験校決定時期に大きな変化はない, ⑤受験校決定理由に大きな変化はない, ⑥入学直後の学生は「期待」していると同時に学力や対人面での「不安」も持つ, ⑦積極的な理由で受験校を決定した学生の方が「期待」しており, ⑧積極的な理由で受験校を決定した学生の方がそうでない学生に比べ学業成績が高い傾向にある, などが明らかになった。これらの結果を今後の入学者選抜方法改善の方向という観点から考察した。

  • ――一般入学生と推薦入学生の比較分析――
    石井 秀宗
    原稿種別: 原著
    2013 年 23 巻 p. 71-78
    発行日: 2013年
    公開日: 2023/12/10
    ジャーナル フリー

    本研究では, A大学B学部における一般入学生と推薦入学生について, 入学後の科目履修行動という観点から検討を行った。その結果, 推薦入学生において, 以下の傾向が相対的に強いことが推察された。(1) いわゆるグローバル社会を意識した学修を志向する, (2) 教養性の高い科目よりも専門に関連する科目を早くから履修するなど, 専門志向性が強い, (3) 数学的・数量的思考力が小さく, 数学や統計学の履修を回避する。推薦入試が, その趣旨に反して, 数学を回避する生徒が入学するための通り道になっている可能性が懸念される。

  • 林 寛子
    原稿種別: 原著
    2013 年 23 巻 p. 79-84
    発行日: 2013年
    公開日: 2023/12/10
    ジャーナル フリー

    山口大学ではアドミッション・ポリシーと選抜方法の整合性を検証するため, 入学者の追跡調査を入試に始まり, 入学時の意識, 在学中の学業成績や生活態度, 卒業時の意識・満足度に至るまで, 学生が大学で成長していく多様な実態を一貫して把握する手法で実施している。本報告はデータの蓄積段階における予備分析として, 経済学部を取り上げ, 入試成績, 在学中の学業成績, 諸活動と自己評価の意識との関連を分析し, 学部レベルの詳細な特徴を把握するとともにアドミッション・ポリシーの検証の方向性を探るものである。

  • 内田 照久, 鈴木 規夫
    原稿種別: 原著
    2013 年 23 巻 p. 85-93
    発行日: 2013年
    公開日: 2023/12/10
    ジャーナル フリー

    センター試験を受験する高校新卒者中の国公立大学の受験者は, 少子化傾向が顕著になる中でも20万人水準で経年的に安定した中核受験者層を形成している。この中核的な受験者層に着目して, 高校新卒のセンター試験志願者の大学出願先の年次推移を分析した。はじめに, 中核受験者について, 地域移動の観点から自県・他県への出願先別に整理した。また, 地域に固有の特徴を明らかにするために, 私立大学単願, 大学非出願, 未受験の志願者についてもまとめ, 都道府県別に出願状況の年次推移を分析した類型化を行った。さらに中核受験者層における, センター試験を利用した私立大学の併願状況についても概観した。

  • ――志願者数に影響を与える要因と学力の推移に関する検討――
    並川 努, 佐藤 喜一, 濱口 哲
    原稿種別: 原著
    2013 年 23 巻 p. 95-101
    発行日: 2013年
    公開日: 2023/12/10
    ジャーナル フリー

    新潟大学における志願者数の動向および志願者, 入学者の学力の推移について検討を行った。志願者数については2005年度に新潟県内出身者が, 2008年度に新潟県外出身者が大きく減少していることが示され, それぞれその前年に発生した地震等の影響について考察が行われた。また, センター試験の成績および入学後のTOEICの成績の推移を検討したところ, いずれも志願者の減少等による大きな変化は見られないことが示された。

  • ~今後の入試戦略を検討するための一視点~
    西郡 大
    原稿種別: 原著
    2013 年 23 巻 p. 103-111
    発行日: 2013年
    公開日: 2023/12/10
    ジャーナル フリー

    大学経営および入学者の質の担保の両側面からみたとき, 18歳人口の減少は大きな問題となる要素である。本研究では, 佐賀大学を事例に, 18歳人口の減少がもたらす入試の現状について, 「平成以降の入学者選抜と志願者の動き」, 「18歳人口の減少と将来予想」, 「競争倍率と入学者の実態」という3つの観点からアプローチした。分析の結果得られた視点は, 各大学が直面している課題点とも共通部分が多いかと思われる。将来的に18歳人口の減少が自明である中, どのように入試戦略を検討していくかについて議論するための1つの論点としたい。

  • 藤芳 衛, 大澤 彰子, 小山田 寛史, 薬師寺 駿介, 青松 利明, 澤崎 陽彦, 藤芳 明生
    原稿種別: 原著
    2013 年 23 巻 p. 113-120
    発行日: 2013年
    公開日: 2023/12/10
    ジャーナル フリー

    見えない2次元コードを活用してリスニングテストシステムを開発した。評価実験の結果、従来の点字問題及び通常文字または拡大文字問題に加えて、見えない2次元コードを活用して開発した2種類の音声問題、すなわち、文字と音声のマルチモーダル問題と文書構造表音声問題を使用すれば、中途失明者、重度の弱視者及び読字障害の発達障害者はもとより、文字認知に障害を有するすべての受験者のセンター試験等のリスニングテストが可能となることが見出された。更に、2次元コード方式のリスニングテストシステムの開発は、従来のパワーテスト方式だけでなく、スピードテスト方式のリスニングテストの開発を可能とする。

  • ――入学者選抜の最適化の前提条件――
    土屋 俊, 村上 祐子
    原稿種別: 原著
    2013 年 23 巻 p. 121-126
    発行日: 2013年
    公開日: 2023/12/10
    ジャーナル フリー

    複数回受験・オンライン受験等への要請に応えるために, 入学者選抜へのICT利用, とりわけ出願手続・選考・合否通知・入学意思確認にいたる入学者選抜の全過程における運営の簡素化・迅速化, また出願手続きの公正化・簡略化に資するICTシステム設計・導入は喫緊の課題である. 当論考では, 日本及び各国におけるオンライン入学者選考システムの現状調査と照合しつつ, 日本国内の入学者選抜におけるシステムに求められる基本要件とコンセプトモデルについて論じる.

  • 佐藤 喜一, 並川 努, 濱口 哲
    原稿種別: 原著
    2013 年 23 巻 p. 127-133
    発行日: 2013年
    公開日: 2023/12/10
    ジャーナル フリー

    本稿では, 個別学力検査における作題のPDCAサイクル (plan-do-check-act cycle) 構築に向け, 入学センターで検討した個別学力検査の作題者へのフィードバック内容について分析例を提示した。今回の試みでは, 大問得点のみを活用し, 試験終了後に作題者へフィードバックする内容として, 試験の構成, 受験者, 得点の分布, 学部別の得点分布, 信頼性と項目分析, 相関係数と共分散比をリストアップした。

  • 南谷 和範
    原稿種別: 原著
    2013 年 23 巻 p. 135-142
    発行日: 2013年
    公開日: 2023/12/10
    ジャーナル フリー

    仮名分かち書きを用いる日本語点字を使用する重度視覚障害者を対象とする教育課程においても, 漢字を用いた日本語文書作成技術を使いこなす基礎となる能力の教授法とテスト方法の確立が期待されている。初等・中等教育における漢字の指導・解説や試験問題における注記の付与の統一は, 不十分な状態にとどまる。共通1次試験およびセンター試験の「国語」第1問・第2問点字冊子問題の注記付与は, 音声単語親密度の分布, 国語辞書ないし教育基本語彙との対照からおおむね妥当と考えられる。他方, 注記が付された理由が判然としない語も存在し, 注記付与支援システムの開発が望まれる。

  • 安野 史子, 浪川 幸彦, 森田 康夫, 三宅 正武, 西辻 正副, 倉元 直樹, 林 篤裕, 木村 拓也, 宮埜 寿夫, 椎名 久美子, ...
    原稿種別: 原著
    2013 年 23 巻 p. 143-150
    発行日: 2013年
    公開日: 2023/12/10
    ジャーナル フリー

    本研究は, 試験によって測れる能力の, 解答形式による違いを実証的に調べることを目的とする。取り上げる解答形式は, 数学では, 多肢選択形式, 自由記述形式及び大学入試センター試験に採用されている穴埋め (マークシート) 形式の3種類, 国語では, 多肢選択形式, 自由記述形式及び条件を付した記述形式の3種類とする。同一問題をそれらの形式に従って作り直し, 大学1年生に受験させた。その結果, 国語については, 多肢選択形式の正答率が記述形式の正答率を上回る傾向がみられたが, 数学については, 特定の解答形式の正答率が高く, あるいは低くなる特徴は観察できなかった。しかし受験者の得点層別に見ると, 上位層において, 穴埋め (マークシート) 形式が解の形態を提示しているためそれがヒントとなり, 正答率が他の形式を上回る場合が見られた。

  • 山村 滋, 佐藤 智美
    原稿種別: 原著
    2013 年 23 巻 p. 151-156
    発行日: 2013年
    公開日: 2023/12/10
    ジャーナル フリー

    大学ユニバーサル段階・大学全入時代を迎えた今日, 大学入試に代わるような高大接続のシステムが必要とされている。そして, このことに資するような高大接続システムの研究が求められているのである。本稿では, このように高大接続研究の課題を捉え, 高校成績に基づく大学入学者選抜制度の典型的事例の一つとしてのカナダ・オンタリオ州の大学入学者選抜制度の特徴を明らかにした。

  • ――一地方国立大学の志願者数を巡って――
    福島 真司, 齋藤 祐輔
    原稿種別: ノート
    2013 年 23 巻 p. 157-164
    発行日: 2013年
    公開日: 2023/12/10
    ジャーナル フリー

    東日本大震災は, 大学の諸活動に大きな影響を与えた。本稿では, 東北地区の一国立大学の入学者選抜に関するデータのうち, 志願者数に焦点を当て, 東日本大震災が大学入試に与えた影響を考察した。その結果, 関東地区の各県や福島県からの志願者の減少の一方で, 宮城県や新潟県からの志願者の増加等の影響が認められた。また, 同一県内の被災地に所在する高等学校にも, 個別に様々な影響が看取された。

  • ――どのようにギャップイヤーと入学試験を結びつけるか――
    中津 将樹
    原稿種別: ノート
    2013 年 23 巻 p. 165-170
    発行日: 2013年
    公開日: 2023/12/10
    ジャーナル フリー

    入学前に一定の活動を合格者に義務づけるギャップイヤー入試の出願者は, 年々増加している。合格者は大学による助言, 指導を受けた後に国内外でボランティアなどのギャップイヤー活動を行ない, 入学後に単位を取得することができる。同入試は多様な学生を確保することができる手段として有効である。

  • 齋藤 朗宏
    原稿種別: ノート
    2013 年 23 巻 p. 171-178
    発行日: 2013年
    公開日: 2023/12/10
    ジャーナル フリー

    近年, 大学においてディプロマ, カリキュラム, アドミッションという3つのポリシーの重要性が増している。一方で, ポリシーに対する共通した理解は, いまだ得られていないように見える。そこで, 本研究では, テキストマイニングの手法を用いて各大学経済学部のアドミッション・ポリシーを分析し, そのあり方についての現状を確認した。その結果, 入学時の能力, 入学後のビジョンが主たる内容であることが確認できた。

  • ―入学前段階の情意的な特性把握の試み―
    田中 均
    原稿種別: 資料
    2013 年 23 巻 p. 179-184
    発行日: 2013年
    公開日: 2023/12/10
    ジャーナル フリー

    入学前指導・教育を, 初年次教育をはじめとする大学教育に接続するものとして位置づけて学習内容は方法を構築する必要がある。推薦入試合格者の情意的な側面に着目して, 高校との連携・協力関係をつくりながら転換を図る入学前指導・教育の在り方や方法について, 島根大学の取組みを紹介し今後の展開について考察する。

  • 川勝 望, 白川 友紀, 本多 正尚, 戸田 さゆり
    原稿種別: 資料
    2013 年 23 巻 p. 185-189
    発行日: 2013年
    公開日: 2023/12/10
    ジャーナル フリー

    本研究では, 高等学校での先進的な理数教育と大学入学後の研究意欲との関係を調査するために, スーパーサイエンスハイスクール (SSH) 出身者が, 1年生から研究者生活を体験できるプログラム (筑波大学「理数学生応援プロジェクト」) に参加する割合と, それ以外の高等学校出身者の参加する割合を比較した。その結果, 両者に有意な違いは見られず, SSH出身者は入学後必ずしも高い研究意欲を示していない可能性がある。また, 課題探究能力をみるアドミッションセンター (AC) 入試により入学するSSH出身者の割合は, 予想に反して, 他の経路で入学した場合と比較して特に高くないことが分かった。

  • 白川 友紀, 島田 康行, 大谷 奨, 本多 正尚
    原稿種別: 資料
    2013 年 23 巻 p. 191-198
    発行日: 2013年
    公開日: 2023/12/10
    ジャーナル フリー

    国立大学の編入学について, 最近11年間にわたる志願者数, 合格者数を概観した。大学編入学試験は, 若干名の募集が多いことから合格者数の変動が大きいかと考えたが, 最近10年間ほど全体としては志願者数, 合格者数があまり変動することなく推移してきたことが分かった。しかし, 分野別にみると, 志願者数は理工系と医学で増加し農水系と看護他で減少し, 合格者数は理工系と医学で少し増加し農水系他で少し減少しているため, 全体としては大きくは変化していないことが分かった。理工系は倍率が低いが, 推薦入試による合格者が比較的多いため全体の倍率が低くなっていると考えられる。

  • 永田 純一, 高地 秀明, 杉原 敏彦
    原稿種別: 資料
    2013 年 23 巻 p. 199-204
    発行日: 2013年
    公開日: 2023/12/10
    ジャーナル フリー

    進路選択行動における高校生とその保護者との関係について, 本学の説明会に参加した保護者と, 本学への入学予定者に対してアンケート調査を行った結果, 保護者は大学選択よりも学問分野・職業についてアドバイスする傾向があること, 母親が女子生徒に与える影響がより強いことが示された。アンケート調査の内容と考察, 及び今後の課題について報告する。

  • ~“毎日がオープンキャンパス”, “新感覚大学案内”への挑戦~
    西郡 大, 園田 泰正, 兒玉 浩明
    原稿種別: 資料
    2013 年 23 巻 p. 205-211
    発行日: 2013年
    公開日: 2023/12/10
    ジャーナル フリー

    佐賀大学では, 今話題のスマートフォンで利用できるAR技術を活用した入試広報を始めた。この狙いの1つは, 「話題性」の喚起である。オープンキャンパスで実施した, 「毎日がオープンキャンパス」, 「動くポスター展」という企画は, 新しいオープンキャンパスの取り組みとして, マスコミ等にも取り上げられ, 「話題性」の喚起として十分な広報効果が得られた。現在では, 大学案内冊子にもAR技術を取り入れ, 文字や写真では伝えることのできない大学の雰囲気や授業風景などを体感できる「新感覚大学案内」を仕掛け, 全国的にも新しい取り組みを展開している。

  • 森川 修, 三宅 貴也, 小山 直樹, 清水 克哉
    原稿種別: 資料
    2013 年 23 巻 p. 213-218
    発行日: 2013年
    公開日: 2023/12/10
    ジャーナル フリー

    平成24年度入試における国公立大学工学系学部の総募集人員は31,704名であり, そのうち推薦入試の募集人員は3,549名と総募集人員の11.2%を占めていた。その中で, 大学入試センター試験を課さない入試方法での募集人員は2,489名で, 出願要件に評定平均値の記載を求めるところは約半数であった。また, 大学入試センター試験を課す入試方法の受験科目数で一般入試と同程度の科目数を要求しているのは募集人員の60%以上である一方, 3科目以下は7.3%ときわめて少なかった。

  • ―― 2ヶ年の情報公開と東日本大震災の影響 ――
    三宅 貴也
    原稿種別: 資料
    2013 年 23 巻 p. 219-226
    発行日: 2013年
    公開日: 2023/12/10
    ジャーナル フリー

    国立大学の入学者選抜状況は毎年文部科学省が集約している他、各大学がホームページ等でも入試統計として公開している。他方、教育産業は入試統計を独自の基準でランキングを作成し、マスコミは入試統計以外の教育情報等の公開を世に問うているが、地域別、系統別に検証すると意外な課題が浮き彫りになる。本稿では入試統計の公開状況および合格割増率、入学辞退率を2ヶ年で分析、考察するとともに、東日本大震災が平成23年度一般入試後期日程に与えた結果にも言及する。

  • 池田 光壱, 木村 拓也, 山口 恭弘
    原稿種別: 資料
    2013 年 23 巻 p. 227-231
    発行日: 2013年
    公開日: 2023/12/10
    ジャーナル フリー

    通常、我々が入試広報を行う際には、広報用に作成した大学説明スライド、あるいは大学案内冊子や学部パンフレット等を使用して口頭で説明することが多い。入試広報において、特に理系分野の説明をする際には口頭説明よりも科学実験を通じた情報提供が効果的であると考え、本学のイベント時に実験講義を行い、実験講義の入試広報としての有用性について検討した。

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