2013 年 23 巻 p. 63-70
2008年度から2011年度に実施した新入生を対象とした「入試広報活動」に関する調査データを総合的に分析し, オープンキャンパス参加状況や受験校決定理由, 入学時の「気持ち」の特徴を抽出した。また入学時の「気持ち」及び1年時前期の学業成績と受験校決定理由との関連を検討した。その結果, ①オープンキャンパス (OC) への参加経験者の割合の年度による違いはない, ②OCへの参加時期は高校1年時が増え高校3年時が減っている, ③学外説明会への参加者が減っている, ④受験校決定時期に大きな変化はない, ⑤受験校決定理由に大きな変化はない, ⑥入学直後の学生は「期待」していると同時に学力や対人面での「不安」も持つ, ⑦積極的な理由で受験校を決定した学生の方が「期待」しており, ⑧積極的な理由で受験校を決定した学生の方がそうでない学生に比べ学業成績が高い傾向にある, などが明らかになった。これらの結果を今後の入学者選抜方法改善の方向という観点から考察した。