2014 年 24 巻 p. 113-119
大学入試において「入学者受入れの方針」や「アドミッション・ポリシー」という用語は, すでに一般的なものになった。我が国では, 同方針を単に「求める学生像」と捉える大学は少なくない。しかし, 実際の方針は, 抽象的な表現が多く具体性が乏しいため, 受験生にとっては理解しがたいとも言われる。一方, 「入学者受入方針に沿った入学者の受入」が求められる大学にとっては, 受入れ方針と実際の入試方法との整合性が不十分であれば検証作業は困難である。こうした背景を踏まえ, 受験生にとって理解しやすく, 検証作業でも有効に機能する実質的な「受入れの方針」を定めるために何を見直すべきかを問い直し, 佐賀大学における「受入れ方針」の見直し事例について報告する。