2015 年 25 巻 p. 143-150
本研究は,大学入学者選抜に用いられている共通試験によるパフォーマンスが,調査集団によってどの程度の違いがあるのかを実証的に調べることを目的とする。共通第1次学力試験の「国語」及び大学入試センター試験の「数学」の過去問題を,高等学校第2・3学年の生徒及び大学1年生に受験させた。その結果,四つに分けた集団(高2・高3・大1B・大1A)間や高校生の学年間の差異は,国語については小さく,数学については大きいことが観察された。また,これらの集団別にみると,出題内容によって差異が大きく異なることがわかった。