大学入試研究ジャーナル
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25 巻
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  • ――実のある高大接続を目指す基礎調査――
    渡辺 哲司, 島田 康行
    原稿種別: 原著
    2015 年 25 巻 p. 1-6
    発行日: 2015年
    公開日: 2023/12/24
    ジャーナル フリー

    約600人の大学新入生を対象に,中学校・高等学校で経験した探究的な学習活動の量や質について質問紙調査をした。活動を経験する機会の多・少については,提示した8項目すべてで「なかった」が25%を超え,そのうち「意見文や説明文を書く方法を学習すること」では文・理の系による差(文系の方が機会が多い)が見られた。その他,個人よりも集団の活動が多いこと,「総合的な学習の時間」の存在感が特に大きいこと等が示唆された。

  • ――教育課程の改訂がもたらす学習の変化を捉えるために――
    島田 康行, 渡辺 哲司
    原稿種別: 原著
    2015 年 25 巻 p. 7-12
    発行日: 2015年
    公開日: 2023/12/24
    ジャーナル フリー

    国内の大学新入生約600名を対象に,高校「国語」で経験した学習指導に関する調査を行った。その結果「話すこと・聞くこと」「書くこと」を学ぶ機会は「読むこと」を学ぶ機会に比して少なかったと感じられていること,また,各領域の学習が「言語活動」を通して行われることは少なかったと感じられていることが示唆された。学習指導要領の改訂にともない,高校「国語」の授業はどのように変わるのか,それを把握することは大学入試や入学後の教育の改善につながる。本研究はそのための継続的な観察の起点となる。

  • ――大学新入生に対する2013年度調査の結果とその分析――
    伊藤 圭, 荒井 清佳, 椎名 久美子, 宮埜 寿夫, 桜井 裕仁, 小牧 研一郎, 田栗 正章, 安野 史子
    原稿種別: 原著
    2015 年 25 巻 p. 13-20
    発行日: 2015年
    公開日: 2023/12/24
    ジャーナル フリー

    近年増加したAO入試や推薦入試による大学入学志願者の基礎的な学力を,教科科目の学科試験とは異なる観点から評価することを目的として,実践的な言語運用力を測る問題を試作し,モニター調査による評価を行った。その結果,想定する受験者に対して,試作問題が概ね適した困難度と識別力を有することが確認された。また,問題項目の解答データに対して主成分分析を行った結果,試験の構成概念(試験で測定しようとしている能力)に対応する因子的構造が確認された。

  • ――大学新入生に対する2013年度調査の結果とその分析――
    桜井 裕仁, 田栗 正章, 安野 史子, 小牧 研一郎, 荒井 清佳, 伊藤 圭, 椎名 久美子, 宮埜 寿夫
    原稿種別: 原著
    2015 年 25 巻 p. 21-28
    発行日: 2015年
    公開日: 2023/12/24
    ジャーナル フリー

    AO入試や推薦入試などを経て大学・短大に入学しようとする者を主な対象として,基礎的な能力を評価する試験についての検討を行った。既存の教科・科目の学科試験とは異なる観点から,新しい試験として「言語運用力」と「数理分析力」の試験問題を試作し,その評価のためのモニター調査を実施した。本稿では,2013年度に実施した「数理分析力」試験の調査について,その概要と試験の得点データの分析結果を報告する。分析の結果,今回調査対象とした集団に対しては,試作問題により上位群と下位群の識別がある程度できていること,大問間の相関はあまり高くはないこと,大問の出題内容や出題形式の違いによる特徴を抽出できる可能性のあることなどが示された。

  • 椿 美智子, 三宅 貴也, 富永 倫彦, 桐本 哲郎, 西村 幸
    原稿種別: 原著
    2015 年 25 巻 p. 29-36
    発行日: 2015年
    公開日: 2023/12/24
    ジャーナル フリー

    従来研究において,国公立大学では,各種追跡調査が行われており,入学者選抜のあり方が検証されている。本学は平成22年度に全学的な改組を行い,改組初年度に入学した学生が卒業年度を迎えた区切りに合わせて,在学生の追跡調査に着手しており,理工系大学という条件を踏まえて,望ましい入学者選抜を模索し始めている。本稿では,入試データにキャリア教育データ等本学が所有する学内データを組み合わせることにより新たな傾向を見出すべく平成25年度から取り組み始めた追跡調査についての成果を示す。

  • ―後期日程の制度設計を事例に―
    西郡 大
    原稿種別: 原著
    2015 年 25 巻 p. 37-42
    発行日: 2015年
    公開日: 2023/12/24
    ジャーナル フリー

    佐賀大学理工学部では,平成25年度入試より後期日程を見直し,法人化以降過去最高の志願者数となった。センター試験のみの合否判定をやめ,個別学力検査を課したことが最大の理由である。一般的には,受験生の負担になる入試制度は,志願者から敬遠されると考えられがちだが,高校の進路指導現場の事情や受験生の潜在的なニーズを把握し,それを入試制度へ反映することの重要性が示された事例である。本稿では,従来の制度の課題点と制度見直しまでの具体的な調査・分析および新制度実施後の検証結果等を報告する。

  • ――高知大学医学科入学者の調査・報告――
    大塚 智子, 倉本 秋, 高田 淳, 武内 世生, 瀬尾 宏美
    原稿種別: 原著
    2015 年 25 巻 p. 43-48
    発行日: 2015年
    公開日: 2023/12/24
    ジャーナル フリー

    高知大学医学部医学科AO入試は,第1次選抜で学力評価を,第2次選抜で態度評価を行っている。この態度評価と入学後に行った学生間ピア・レビューに正の相関が認められ,態度・習慣領域評価の妥当性が示唆された。また,学生間ピア・レビューを入試選抜群間(AO,前期,後期)で比較した結果,1項目においてAO入試群が優れる傾向となった(p<0.1)。先に報告した調査結果(八木,2008)と留年・退学者の調査も踏まえ,入試における態度評価の有効性が示唆された。

  • 吉村 宰
    原稿種別: 原著
    2015 年 25 巻 p. 49-56
    発行日: 2015年
    公開日: 2023/12/24
    ジャーナル フリー

    長崎大学の入試方法の改善に向けた基礎資料を得ることを目的として,大学入試センターが基礎的総合的な学力を測定するための試験として開発中の「言語運用力」及び「数理分析力」テストを,平成26年度のセンター試験を課さないAO入試の入学者(AO入学者)並びにセンター試験を課す入試による入学者(一般入学者)を対象に実施し,AO入学者の言語運用力,数理分析力の特徴把握を試みた。その結果,現行のAO入学者には英語の基礎学力が不足しているものがいること,そして一定の結論を得るために複数の情報を関連付けて類推・推論することが苦手なものが一般入学者に比べ多いことが明らかになるなど,今後の入学者選抜方法を考える上で有用な知見を得ることができた。

  • 立脇 洋介, 山村 滋, 濱中 淳子, 鈴木 規夫
    原稿種別: 原著
    2015 年 25 巻 p. 57-62
    発行日: 2015年
    公開日: 2023/12/24
    ジャーナル フリー

    アドミッション・ポリシー(AP)の問題点を明らかにするために,全国の大学204学部の1年生と教員を対象に調査を実施した。その結果,以下の四点が明らかになった。①教員に比べて学生はAPを認知しておらず,特に偏差値が低く,教員がAPに熱心な学部の学生はAPを認知していなかった。②教員がAPにあまり必要とないと考えていた選抜方法の「情報」を,学生は必要としていた。③専門が職業と結びついている学部では,意欲や関心など「非学力」的な内容がAPに必要と考えられ,学生は「社会的能力」を有していた。④批判的精神や問題解決力などの多様な「認知的能力」は,学部の偏差値と強く関連していた。

  • ――医学部医学科定員増の影響を中心に――
    倉元 直樹, 市川 博之
    原稿種別: 原著
    2015 年 25 巻 p. 63-71
    発行日: 2015年
    公開日: 2023/12/24
    ジャーナル フリー

    歯学部は医学部医学科を第一志望とする受験生が志を完遂できなかった場合の受け皿として位置付けられているように見える。その結果,国公立大学の医学部医学科定員が増加すると,必然的にそのあおりを受けて歯学部が不人気となる構造的問題がある。東北大学歯学部も一般入試では医学部定員増加政策の影響を被っているように思われるが,第一志望の現役生を対象としたAO入試では合格者の学力水準に一般入試ほどの顕著な低下傾向は感じられない。

  • 内田 照久, 橋本 貴充, 鈴木 規夫
    原稿種別: 原著
    2015 年 25 巻 p. 73-79
    発行日: 2015年
    公開日: 2023/12/24
    ジャーナル フリー

    センター試験の新卒志願者は,国公立大学に出願し,経年的に20万人で安定している中核受験者層と,私大のセンター利用の増加と共に増えてきた新参入受験者層からなることがわかってきた。さらに新参入層は,(1)私大専願者,(2)センター試験の成績ではどこの大学にも出願しないセ試未利用者,(3)未受験者,に大別される。セ試未利用者は,私大のセ試参加率の上昇と共に減少してきたことから,その多くは私大への出願を意図した志願者だったと想定される。また少数だが,高校の職業科からの志願者も含まれることがわかった。高校単位の分析からは大学入試としての利用を意図していない受験層が垣間見られた。県単位,高校単位の指導方針が,セ試の志願行動に影響を及ぼしている可能性が推察された。

  • ――模擬試験と入試の志願動向の変化とリケジョ確保のための試み――
    高木 繁
    原稿種別: 原著
    2015 年 25 巻 p. 81-88
    発行日: 2015年
    公開日: 2023/12/24
    ジャーナル フリー

    「リケジョ」という言葉がブームになっているが,工学部にとってはそれほど追い風という状況ではない。女子学生確保のためには,女子学生のみをターゲットとしたイベントが必要である。また,広報戦略を定める上で,模擬試験の志願動向は様々な情報を与えてくれる。東海地区は他地区と異なり,河合塾の模擬試験の結果が最も役に立つことを確認した。豊田工業大学と本学が行った新しいイベント「女子学生のためのテクノフェスタ」は,参加者には非常に好評であり,新しい方向性を示したと考えている。

  • 大谷 奨
    原稿種別: 原著
    2015 年 25 巻 p. 89-96
    発行日: 2015年
    公開日: 2023/12/24
    ジャーナル フリー

    中高一貫教育には,中等教育学校,併設型,連携型の3つのタイプがあるが,本稿では地方部に多く見られる公立連携型中高一貫校とそこにおける進路指導の実態について考察した。小規模校が多く,生徒募集に腐心する一方,長期にわたるキャリア教育の取り組みや,きめの細かい学習指導,進路指導が可能となっており,自治体の支援を受けながら,多様な進路を一つの高校で保証しようとする学校運営と進路指導が模索されていることが確認された。

  • ― 一地方国立大学の事例から ―
    福島 真司, 鈴木 達哉, 菅井 和明
    原稿種別: 原著
    2015 年 25 巻 p. 97-102
    発行日: 2015年
    公開日: 2023/12/24
    ジャーナル フリー

    財政的に厳しい状況下では,入試広報戦略についても,費用対効果が明確に求められる。福島ほか(2011)では,入試広報手段の効果測定の一つのモデルを提示したが,一方で,効果的な手段はコストがかかることが課題となる。本稿は,大学訪問について,P大学の事例をもとに考察し,学生募集の費用対効果を上げることに寄与する手段であることを論じるものである。

  • 山村 滋, 鈴木 規夫, 濱中 淳子, 立脇 洋介
    原稿種別: 原著
    2015 年 25 巻 p. 103-109
    発行日: 2015年
    公開日: 2023/12/24
    ジャーナル フリー

    文部科学省は,アドミッション・ポリシーの策定とそれを大学入学者選抜に反映させることを各大学に求めている。本稿は,このような政策が実際上,効果的であるか否かを解明することを課題とする。そこで,全国のすべての学部レベルのアドミッション・ポリシーを大学側が求める能力や態度等の視点から分類整理し,それをもとに大学1年生および大学教員にそれらの能力や態度等がどの程度獲得されているかを評価してもらった。本稿で設定した分析上の制約条件の下では,この政策の効果を支持するような分析結果は得られなかった。

  • ――これまでの不本意入学は本当に不本意なのか――
    雨森 聡
    原稿種別: ノート
    2015 年 25 巻 p. 111-116
    発行日: 2015年
    公開日: 2023/12/24
    ジャーナル フリー

    不本意入学の問題は大学関係者にとって悩ましい問題である。不本意入学に関連する先行研究ではその学修への悪影響が述べられているが,そもそも不本意入学はどう捉えられているのだろうか。本稿ではこれまでの不本意入学の捉え方を確認し,不本意入学の対象をより明確にする検討を行った。その結果,これまで不本意入学として扱われていた集団の中には不本意とは言えない別の集団が含まれていることが明らかになった。

  • ――広島大学AO入試の10年――
    杉原 敏彦, 高地 秀明, 永田 純一
    原稿種別: ノート
    2015 年 25 巻 p. 117-122
    発行日: 2015年
    公開日: 2023/12/24
    ジャーナル フリー

    広島大学でAO入試を開始して10年,この間,導入当初の制度設計から変更した点もあれば,現在に至るまで変わらない点もある。大学入試センター試験を課す入試方式(AO入試Ⅱ型)への移行や入試期間の短縮等当初から変更した点は,より適切な入試制度として変更が求められたものであり,入試時期等当初からずっと変わらなかった点は,本学のAO入試制度として適切であったものと言える。このような観点からの入試制度の検証と入学者の学業成績の追跡調査等から,現時点での本学AO入試の成果と課題をまとめる。

  • 永田 純一, 高地 秀明, 杉原 敏彦
    原稿種別: ノート
    2015 年 25 巻 p. 123-128
    発行日: 2015年
    公開日: 2023/12/24
    ジャーナル フリー

    米国では,現在,初等教育から高等教育までのシームレスな接続をめざす「P-16(またはK-16, P-20)」と呼ばれる教育政策が多くの州において展開されている。広島県の公立高校と姉妹校締結を行っているハワイ州の高校における高大接続に関する調査の際に,P-20(ハワイ州)プログラムについて調査を行う機会を得た。米国全体における最近の状況とハワイ州における状況についてその特徴を分析し,我が国における高大連携及び高大接続への示唆を検討したい。

  • ―新規作成問題の類似文書検索を中心として―
    石岡 恒憲, 狩野 芳伸, 橋本 貴充, 大津 起夫
    原稿種別: ノート
    2015 年 25 巻 p. 129-135
    発行日: 2015年
    公開日: 2023/12/24
    ジャーナル フリー

    全文検索で有名なHyper Estraierを大学入試センター研究開発部門のネットワーク上にあるLinuxサーバにインストールし,特定のディレクトリに格納されているセンター試験問題PDFをWebブラウザから検索する環境を整えた。ユーザはWeb上の特定のアドレスを指定することでキーワード検索ができる。また,ユーザは新作した試験問題について,過去に作成された類似度の高い文書を網羅的に検索することができる。これらのシステムはソースコードから構築しており,ユーザインターフェイスの改良だけでなく,今後のシステム拡張を容易にしている。

  • 鈴川 由美, 山本 知弘
    原稿種別: 資料
    2015 年 25 巻 p. 137-142
    発行日: 2015年
    公開日: 2023/12/24
    ジャーナル フリー

    本研究では,京都大学に提出された高等学校の調査書データを用いて,成績概評の学校間での評価基準の差異に関する分析,および評価基準に影響を与える要因についての検討を行った。その結果,各成績概評を与える生徒の人数割合は学校間でのちらばりが非常に大きいことや,成績概評DやEが事実上,機能していないことなどが示された。また,評価基準の相違に影響を与える要因としては,特に地域による差が影響していることが示された。

  • ―調査集団間におけるパフォーマンスの違いについて―
    安野 史子
    原稿種別: 資料
    2015 年 25 巻 p. 143-150
    発行日: 2015年
    公開日: 2023/12/24
    ジャーナル フリー

    本研究は,大学入学者選抜に用いられている共通試験によるパフォーマンスが,調査集団によってどの程度の違いがあるのかを実証的に調べることを目的とする。共通第1次学力試験の「国語」及び大学入試センター試験の「数学」の過去問題を,高等学校第2・3学年の生徒及び大学1年生に受験させた。その結果,四つに分けた集団(高2・高3・大1B・大1A)間や高校生の学年間の差異は,国語については小さく,数学については大きいことが観察された。また,これらの集団別にみると,出題内容によって差異が大きく異なることがわかった。

  • ―山口大学入学者追跡調査データ分析より―
    林 寛子
    原稿種別: 資料
    2015 年 25 巻 p. 151-156
    発行日: 2015年
    公開日: 2023/12/24
    ジャーナル フリー

    山口大学では,入学者の追跡調査を入試に始まり,入学時の意識,在学中の学業成績や生活態度,卒業時の意識に至るまで,入学者が大学で成長していく実態を一貫して把握する手法で実施している。現在,平成21年度入学者の入学から卒業までのデータが整い,分析可能となった。本報告は,このデータを用いて,入学後の成功をGPAが高いこと,就職・進路を決定して大学を卒業することとみなし,入学後の成功を規定する入学時の意識を分析するとともに,山口大学の入学区分別に,特にセンター試験を課さない特別選抜の実態を評価するものである。

  • 船橋 伸一
    原稿種別: 資料
    2015 年 25 巻 p. 157-160
    発行日: 2015年
    公開日: 2023/12/24
    ジャーナル フリー

    18歳人口が減少を続けるなか,入試科目や配点を変更する国公立大学が少なくない。そこで2006年度以降を対象にすべての国公立大学の全学部・全学科の一般入試(前期・中期・後期)において,二次試験科目の変更パターンが何種類あるのかを調査してみた。すると,配点変更は除いて,二次試験科目の変更のみを数えた場合,約100通りあることが判明した。

    今回,こうした調査をするきっかけとなったのは,複数の国立大学において,学生の資質を担保するため二次試験に英語を課すべきだとする意見と,英語を課すと志願者が減少するので英語を課さないほうがいいとする意見の間で,激論が交わされたことを耳にしたためである。

    そこですべての国公立大学の全学部・全学科の一般入試(前期・中期・後期)において,二次試験科目のなかで,新たに課したり,廃止したりなどの変更をする国公立大学が最も多かった英語を取り上げ,志願倍率の推移を調査してみた。具体的には,二次試験科目に英語を課すよう変更した場合,また廃止する場合,その前後4年間,計8年間の平均志願倍率を比較してみた。その結果,英語を二次試験科目として新たに課しても志願倍率は下降しないこと,逆に廃止しても志願倍率は上昇しないことが明らかになった。

  • 鈴木 誠
    原稿種別: 資料
    2015 年 25 巻 p. 161-168
    発行日: 2015年
    公開日: 2023/12/24
    ジャーナル フリー

    日本の大学入試センター試験に相当するフィンランドの大学入学資格試験(Matriculation Examination)は,1科目6時間に及ぶ。その出題形式は思考力を問う論述が中心であり,日本とは大きく異なる。その中の「生物」はNational Core Curriculumに準拠し,生態学や環境学,分子生物学や人体生理学,形態学や分類学を中心に,日本の高等学校「生物基礎」や「生物」の学習範囲を越えるものも見られる。また「探究の過程」や「実験計画能力」に関する出題が多く見られるのも,大きな特徴である。

  • ―アンケートを通じて―
    荒井 清佳, 石岡 恒憲
    原稿種別: 資料
    2015 年 25 巻 p. 169-175
    発行日: 2015年
    公開日: 2023/12/24
    ジャーナル フリー

    課題数や制限字数,回答時間などの小論文試験の実施形式に焦点を当て,アンケート調査を通じて受験する側から見た小論文試験について検討を行った。実験参加者を4群に分けて,字数や時間の設定を変えて小論文試験を実施した後にアンケート調査を行った結果,字数や時間については,300字を30分で実施した場合に「適切である」という評価が多かった。小論文試験の形式については,「60分×1課題」を選ぶ者が最も多かったが,群によっては「30分×1課題」を選ぶ者が最も多かった。アンケート調査の結果からは小論文試験において複数課題の実施は可能と考えられる。

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