2017 年 27 巻 p. 63-69
佐賀大学では入試改革の1つとして,ペーパーテストでは技術的に評価することが難しい領域をタブレット等のデジタル技術を用いて評価する「佐賀大学版CBT」の開発を進めている。これまで化学を題材に試行版テストを開発し,高校生を対象にモニター調査を実施した。問題開発では,「時間軸」の視点を取り入れるなど,デジタル技術のメリットを活かせる可能性を見出すことができた。モニター調査の結果では,多くの高校生がタブレットの解答入力に関して操作的な問題はなく,デジタル技術のメリットを活かした問題作成の効果を部分的に確認することができた。一方,実際の入試運用という観点からは,今後の検討を要する具体的な課題点が明らかになった。