2019 年 29 巻 p. 1-6
本稿では,一般入試における「主体性等」評価について「書類審査」に注目し,その評価の考え方と効率的な評価に向けた環境構築について報告する。まず,評価の考え方として,書類審査は選考の補助的な位置づけとし,合格ボーダー層を対象とした「段階評価」について提案した。これにより,規模の大きい受験者集団であっても,対象となる受験者数を絞ることが可能となり,適正な規模で書類審査ができるようになる。また,インターネット出願の普及に伴う選考書類の電子化によって新たな評価の在り方が期待できるようになることから,書類審査の新たな評価環境の構築に向けて民間の教育機関と共同で開発した「評価支援システム」の基本的な機能と活用イメージおよび今後の展望について示した。