2019 年 29 巻 p. 211-216
現在,多くの大学で多面的・総合的に評価する入学者選抜への転換を図っており,入学者選抜において知識・技能に加え,思考力・判断力・表現力,そして主体性・多様性・協働性のいわゆる「学力の三要素」を多面的・総合的に評価できる入試専門家の養成が求められている。専門家養成の必要性が高まる中,大阪大学高等教育・入試研究開発センターでは,文部科学省概算事業「多面的・総合的入学者選抜改善システム構築」(平成28~33年度)のプロジェクトの一つとして,入試専門家養成プログラムの開発に取り組んでいる。本稿では,日本の高等教育の文脈に即した入試専門家の育成プログラムの開発を検討すると共に,今後のプログラムの展開を探ることを目的としている。