2019 年 29 巻 p. 23-28
都市部中規模私立大学教育学部における教員採用試験合格状況と入試区分との関連性についての研究報告である。一般に推薦入学者と一般入学者とには基礎学力,勉学意欲,将来像等に差があると言われている。教員養成学部はその目的が明確であり,入学者の卒業後の将来像が均一で,その目標である教員採用試験の合否結果を学生の質の指標とみなすことができる。このことから入学区分に依る差異が採用試験合格状況に反映されると考えられたが,採用試験合格状況は入試区分との関連よりもむしろ大学での学業成績との関連の大きさを示唆する結果となった。