2019 年 29 巻 p. 15-22
学力の3要素が定義され,大学入学試験でも総合評価をおこなうことが求められる。今回,九州工業大学では,総合型選抜の導入に向け,外部試験(PROG1))および本学のカリキュラム修得を示すGPAの2つの評価指標を基に,入試区分毎の学生の学修状況と従来の入試区分(4種)との相関の追跡調査を実施した。その結果,本学(工学系2学部,理数科目に重点をおく中堅難易度の大学)入学試験後の学部・学科間の評価指標の相違が明らかとなった。特に,推薦入試(学部・学科毎に異なる)および前期入試(筆記試験のみ)間の違いが大きい。この結果と他大学の実施例を基に,平成30年度(平成31年度入試)実施のAO入試(総合型選抜)及び他の入試制度へ展開できる入学選抜方法を検討した。