2019 年 29 巻 p. 99-104
本研究の目的は,新共通テストにおいて出題が予定される,国語の新しい記述式問題(「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」のイメージ例) が測定する資質・能力について実証的に検討することであった。従来のセンター試験,国立大学の個別学力試験を比較対象にして,1,130 名の高校生に調査を実施した。遂行状況の分析から,イメージ例は,他の問題とは異なる資質・能力を測定していることが示唆された。また,高校生は,すべての問題の成績が良好(オールマイティ),イメージ例が不得意,イメージ例が得意,といった3タイプに分かれる可能性が見出された。