2019 年 29 巻 p. 91-98
大学入試センター試験は,その機能の評価が十分に行われないまま新共通テストに移行されようとしている。本研究では個別試験との配点比および相関関係,合否入替り率という3つの観点から国公立大学におけるセンター試験の選抜機能に対する定量的評価を試みた。その結果,センター試験重視の大学・学部学科系統が多いことが分かった。また東北大学においては,個別試験がセンター試験の選抜機能を補完する役割を担っていること,配点比を変更しても大きな合否の入替わりが起こらないことが確認された。一般に,各大学の選抜性の程度にかかわらず,大学入試センター試験の成績がその合否決定に与える影響の大きさは想定されている以上の可能性がある。