2021 年 31 巻 p. 189-195
今日では大学院における学生確保の重要性が高まってきている。そのためには,大学院に進学する学生の傾向を把握すること,その結果を踏まえた学習支援が期待される。本稿は,入学時点の情報を用いて,大学院への進学に影響を与える項目を明らかにするための統計分析を行うものである。その結果,性別や出身地域が影響を与えていることが分かり,高大接続や入試広報を改善していくことで,大学院進学者数を高めていくことができる可能性が示唆された。その一方で,エンロールメントマネジメントという発想からの更なる分析と結果の活用が期待されることも明らかになった。