大学入試研究ジャーナル
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入試に活用する大規模記述式テストはいかにして実施されるのか?
――ニュージーランドの事例に学ぶ――
植阪 友理福田 茉央
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2021 年 31 巻 p. 202-209

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抄録

ニュージーランドでは,日本の大学入試センター試験(大学入学共通テスト)と同様に,全国規模の試験が1年に1度行われており,毎年約14万人が受験している。ニュージーランドにおける大学への進学では,いずれの大学も,筆記による二次試験を実施していない。このため,この全国規模の試験と学校内での評価が主な判断材料となり,進学先の大学が決定される。にもかかわらずこのテストは,ほとんどが記述式で行われている。毎年11月下旬~12月上旬にかけて実施され,1月には結果が各自に返却され,生徒はそれをもとに大学に出願することになる。この試験はどのように実施・採点され,信頼性はどう保証されているのだろうか。また,なぜこうした仕組みが実現できているのだろうか。文献調査および現地調査を行い,公平性に対する日本における認識との違いなども考慮しながら,これらの問いについて考察した。

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