2021 年 31 巻 p. 332-337
本研究は,大学入試センター試験(以下,共通試験)における英語民間試験導入の効果と課題について,広島大学のみなし満点方式に申請した志願者のケースから検討することを目的とする。分析の結果,みなし満点方式は,広島県内からの申請割合が高い傾向が見られた。また,申請した志願者の,実際の共通試験・英語の平均得点率は約85%だったことがわかった。一方,申請した志願者の中には,共通試験・英語の得点率が70%未満の者が複数存在し,それらの者は,個別試験・英語の得点率も低い傾向が見られた。共通試験・英語の得点率が低い者の英語力については,今後,入学後の英語の成績との関連を検証する必要があるだろう。