2020(令和2)年に入り,新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が世界中で猛威を振っている。日本では欧米ほどの被害は出ていないが,教育分野への影響は大きい。大学入学者選抜に関しては,2020(令和2)年度入試の影響は局所的であったが,2021(令和3)年度以降への影響が懸念されている。本研究は,大学の期末考査を利用して大学入学者選抜場面を想定したオンライン筆記試験の実施可能性を検討したものである。試験監督のみをオンラインに置き換えるという発想で,少人数を対象とした実施が不可能ではないことを示したが,不正行為防止,受験環境,通信環境の確保等の面でさらに検討すべき課題が残された。