2021 年 31 巻 p. 97-104
本研究は,国立B大学の事例から,国立大学一般選抜において,大学入試センター試験受験後に出願校を変更しても大学入学満足度が高い者の特徴を,出願理由から検討することを目的とする。国立B大学新入生アンケート結果からは,大学入学満足者の出願理由に見られる特徴として,大学入学不満足者と比べた場合,第一志望校への合格以外に,大学入学後の学びが出願理由に含まれていることや,多くの出願理由を持っている傾向が見られることがわかった。第一志望校に合格することは受験の目標ではあるが,それは最終の目標ではなく,あくまでも,大学入学後の学びなど将来の目標達成に向けたステップであるという意識を持って最終的な出願校を選定することが,大学入学満足度を高める上で重要であることが示唆された。