大学入試研究ジャーナル
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オンライン入試の意義と課題
――九州工業大学における総合型選抜Ⅰの事例をもとに――
大野 真理子花堂 奈緒子播磨 良輔
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2022 年 32 巻 p. 106-113

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抄録

九州工業大学では,新型コロナウイルス感染症の感染拡大状況を鑑み,令和3年度総合型選抜Ⅰにおいてオンライン入試を実施した。本研究では,受験者がオンライン入試をどのように捉えたかを分析することを通じて,その意義と課題を明らかにするため,総合型選抜Ⅰの合格者に対し質問紙調査を行った。結果,自宅や学校等で受験できたことを前向きに捉える受験者が大半を占めた。また,オンライン接続テストの実施は,端末の操作方法等の試験当日までに想定可能な受験者の不安の軽減に一定の効果があったことが示された。一方で,試験当日の予期せぬトラブルや不正行為をする受験者への懸念等,事前に対処できない事象への不安が一部の受験者に残ったことも示された。

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