2022 年 32 巻 p. 137-142
本研究では,国立の教員養成系大学において,高大接続改革期の入学者選抜方法にどのような変更が生じているのか(あるいは生じていないのか)を主題として取り上げる。これは,国主導の入試改革に対する影響性を評価することに加え,実体的に国立教員養成系大学の入試の在り方がどのような変化を遂げようとしているのかを観察する試みでもある。分析の結果,国立の教員養成系大学においては,令和2年度入試から令和3年度入試にかけて,一部の大学における一般選抜後期日程試験の廃止と総合型選抜の新規実施といった現象が確認された。また,一般選抜において,面接や文書系等資料を用いた「主体性等評価シフト」への強まりが明らかとなった。