2019年度末から続く新型コロナウイルスの感染拡大によって,2020年度は従来の入試広報活動の多くが中止を余儀なくされた。そうしたなかで,新潟大学(以下,本学)では入試広報活動の多くを非対面型に切り替えて実施してきた。本稿はこうした本学が実施した非対面型の入試広報活動を概観した上で,そのなかでも本学が2020年5月から9月まで開設していた「オンライン個別相談会」について検討した。相談者は決して多いとは言えず,集客の面では課題を残したものの,高校3年生の相談者が多く,また県外からの相談者も比較的多かった。さらに,相談者の8割以上が実際に本学に出願しており,少人数ではあるが,本学への受験を前向きに考える相談者が多かったことがうかがえる結果であった。