2022 年 32 巻 p. 23-28
分離分割方式で後期日程を実施する場合,高い欠席率によって多くの空席が生じる。そのため,必ずしも効率的とはいえない試験運用を長年にわたり実施してきた。この課題を解決するために,インターネット出願によって電子化された受験者情報を活用して,受付順配席方式による試験運営を実現した。その結果,試験室数は20室の削減(前年度比57.4%),座席総数は1,224席の削減(前年度比54.5%),試験監督者数は44名の削減(前年度比72.8%),試験運営をサポートする事務職員数は25名の削減(前年度比43.2%)となり,実施体制が大幅に効率化され,学内関係者からも高い評価が得られた。この取り組みは,ICTを活用して既存の試験運用に変革をもたらしたという点において,大学入試のDXとして捉えることができる。