2023 年 33 巻 p. 13-18
本稿では,喜村・大塚(2020)および喜村・小暮(2020)による「肯定的な大学情報が学生の愛校心および大学満足度の向上に寄与する」という既存研究について実践・理論面からの更なる検証を行った。理論面として認知的不協和理論に着目し,大学に不満を持つ学生は自らで新たな情報を取得し大学への評価基準を変更することで不満を解消しようとすることから,不本意入学者にも効果的であることを示した。また,実践面として着目したのが自校教育である。不破(2020)による全国調査から自大学理解に関するプログラムが愛校心の涵養をもたらすと大学側が捉えていることを明らかにした。