2023 年 33 巻 p. 141-146
大学入試改革の議論では,技術的なものから理念的なものまで多種多様な方策が検討されて,そのトピックの一つに「資格試験的な利用」もあり,これまで幾度となく取り上げられてきた。しかし,その具体的な利用方法には確立したものがないように思われ,論者によってそのイメージが異なっていることも少なくない。そこで本論文では,共通試験における「資格試験的な利用」として考えられる6つの観点を挙げ,それぞれのメリット・デメリットを検討した。実際に運用する際には選抜に与える効果や影響範囲等を考慮して制度設計する必要があることが判った。