2023 年 33 巻 p. 205-211
本論は,早稲田大学の学部卒業から10年後に実施された卒業生調査(n = 1,350,回収率15.4%)の分析を通じて,大学・学部志望度と入学,卒業後のアウトプット間の関係を検証した。私立総合大学においては,大学のみならず,学部のマッチングもまた重要な問題となるため,大学・学部の志望度別にタイプを作成し,入学後の経験やアウトプットとの関係を検証した。分析の結果,大学・学部のいずれかの入学時点のミスマッチが生じている卒業生は5割程度で,一般入試では6割強であった。志望度タイプのなかでは,大学は非第一志望ではあるものの学部は第一志望のタイプは,在学時の成績や能力修得度が有意に高かった。そのため特に学部のマッチングが,入学後の質保証の上で重要であることが示唆された。