中国では,2010年代から比較的多くの受験生を対象とする新たな試みである総合評価入試が一部の省で試験的に導入された。本研究では,この総合評価入試を多面的評価という観点から分析を行った。その結果明らかになったことは次の3点である。第一に,総合評価入試はしばしば「三位一体」と称せられるように,入学者選抜の判断材料を複数用いているが,それらの比重の割合も偏っていて,依然として筆記試験重視である。第二に,公平性の確保という点では,面接に係る手続き等の情報公開によって,つまり各大学が,その手続きを明確にすることによって客観性を担保しようとしている。 第三に,総合評価入試は,筆記試験の成績を重視しているものの,その配点を大学側が決定でき,大学独自の試験の実施を可能にしている。また,それは運営自主権を拡大していく可能性も含まれている。