2024 年 34 巻 p. 197-204
本稿は,「志」特別選抜(神戸大学の総合型選抜)・第 1 次選抜における英語力評価を主とする総合試験の評価を統計的手法によって客観的,間接的に実証することを主な目的とした。類似したサンプル問題を代用し,テストの妥当性,信頼性,基礎学力の担保の有無を検証した。2021 年,2022 年の複数年のデータの多面的な分析を通して,構成概念妥当性,信頼性,意図した学力の差異を弁別する識別力,それぞれの高さが示唆された。研究協力者を対象としたアンケート調査からは,基礎学力の担保や早期実施に対する配慮に関して肯定的な回答が得られた。