大学入試研究ジャーナル
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試験科目としての小論文と総合問題の妥当性と信頼性
天野 哲彦槫松 理樹
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2024 年 34 巻 p. 267-272

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抄録

課題発見力,思考力,表現力などを測るために,教科テストとは異なる,小論文,総合問題,面接といった評価方法を導入する大学は多い。そのことは暗記に頼らない多面的・総合的評価という観点から肯定すべきである。しかし,主観評価が含まれることから,テストとしての信頼性確保に限界がないか,公正な選抜が実施できているのか,基礎学力は担保できているのか,といった疑念は残る。本稿では,一見トレードオフにも見える両観点を両立させることはできるのかという課題について,本学 A 学部での学校推薦型選抜改革として実施した小論文から総合問題への変更に基づく検証資料を提供する。小論文から総合問題への変更は,基礎学力の担保(テストの妥当性確保)とテストの信頼性確保という観点から一定の成果が得られたと考える。また,図表の読み取りを課す出題は,言語能力と数理能力とにまたがる幅広い学力を測ることのできる可能性が示唆された。

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