2024 年 34 巻 p. 52-59
本研究は,2010 年代初頭以降の学習指導要領改訂及び高大接続を巡る行政及び学術研究団体の動向に着目し,2025 年度大学入学共通テストに教科「情報」が追加された経緯を明らかにした。2010 年代半ばの高大接続改革及び学習指導要領改訂を巡る議論を有力な学術研究団体関係者がハンドリングし,政界要人の発言も後押しとなり,大学入学共通テストへの導入が実現した。なお,学術研究団体は,国立大学が情報を含む 6 教科 8 科目の方針を公表し多くの大学がそれに従った予告がなされた後も,試作問題作成や高校教員に対する研修,さらに情報を無配点とする方針を公表した一部大学への牽制など,情報入試実現に向けた姿勢を堅持している。