総合型及び学校推薦型選抜の実施拡大に伴い,大学入試では志願者本人記載書類の利用機会が広がっている。そのような中,文章生成AIが一般に普及し始めたことで,選抜への影響を懸念する声も報道された。本稿では,志願者本人記載書類の作成や指導における文章生成AIの影響に関し,高校教員の受け止め方を明らかにしようと試みた。高校教員への質問紙調査の結果,回答者自身が文章生成AI利用経験を有する場合は,これを利用しても作成書類の質に大きな影響はないと考え,選抜への影響懸念も小さい傾向が見られた。また,回答者勤務校の大学進学実績では,実績が高いほど影響懸念が小さかった。いずれも文章生成AIの出力が特徴に乏しい一般的表現となるためと考えられる。