項目反応モデルを用いた等化方法の一つに,Haebara 法がある。Haebara 法は個別推定において等化誤差が小さく安定した推定ができることが示されている反面,理論的には確率単体の上での不一致度の指標として,本来確率を対象とするわけではない L2 ノルムを損失関数に用いるという不自然さがある。そこで本研究では,Haebara 法を拡張した密度比に基づく損失関数を用いた等化係数の推定手法を提案し,その性能を IRF 一致度の観点から数値実験によって,等化時よりも多数の能力点のもとで評価した。その結果,概ね提案手法が目的とする損失の意味で,IRF を最適化する等化が実施できていることが確認された。さらに,提案手法を用いてブラジルの大学入学共通テスト ENEM での等化を実施し異なるテストフォームにおける能力値を同一尺度上で表現することを試みた。