リスニングテストの作成で最も作業負担が大きく,多額の経費もかかるのが音声収録の工程である。試験問題としての品質を満たす英語母語話者の確保,録音用スタジオの手配,収録後の編集作業など,多岐にわたる業務が多く発生する。ここで試験問題に合成音声を利用できれば,負荷の軽減に加えて,作業工程の圧倒的な効率化が実現できる可能性がある。それは,録音工程の代替方法にとどまらず,CBT での項目プールの作成でも必要となる音声問題の大量生成を支える基盤技術としても利用できる。そこで本研究は,高品質なテキスト合成音声を適用した英語リスニングテストの実地調査を行った。そこでは大学入学共通テストのスペックを手本にしつつも,英語本来の発話速度についても留意した実験計画を立てて検証した。その結果,合成音声で試験問題音声を編集する作業工程として,音声の時間構造を調整する工程の整備の必要性が示された。