本稿は,大学入試の多様化に対する肯定的な意識の分布とその規定要因を検討することを目的とする。社会科学系の学部を卒業し,新卒 1 年目から 5 年目として働く人びとを対象としたアンケート調査の分析によって,大学入試の多様化に対して肯定的な意識をもつ者はおよそ半数であることが明らかになった。そして,その意識に影響を与える要因として,進学先大学への誇らしさ,大学の入学難易度,利用した入試方式,大学授業・ゼミでの学習への力の入れ方が挙げられた。以上のことから,大学入試の多様化への肯定意識は,外部的な基準のみならず,人びとの学びの経験に基づく意味づけによって影響を受ける可能性が示唆された。