動物臨床医学
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Case Report
上顎の扁平上皮癌に対するCUL療法により良好なQOLを維持している犬の1例
野田 桂嶋田 照雅小川 高伊藤 位一大橋 文人
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2009 年 18 巻 1 号 p. 1-5

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抄録
犬の上顎に発生した扁平上皮癌に対して腫瘤の姑息的外科切除を行った後に,ヨード化ケシ油脂肪酸エチルエステルとアミドトリゾ酸ナトリウムメグルミンの添加によって吸収遅延処理したシスプラチンを用いた局所抗癌治療(CUL療法)を計18回実施した。本症例の治療経過は良好で,腫瘍の増大は非常に遅くなり,全身性の副作用も認められず,治療開始後18カ月が経過しているが良好なQOLを維持している。以上のことから,CUL療法は口腔内扁平上皮癌の増大抑制とQOL維持を目的とした治療の選択肢の1つとして有用な方法であると考えられた。
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© 2009 動物臨床医学会
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