動物臨床医学
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18 巻, 1 号
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Case Report
  • 野田 桂, 嶋田 照雅, 小川 高, 伊藤 位一, 大橋 文人
    2009 年 18 巻 1 号 p. 1-5
    発行日: 2009/03/20
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    犬の上顎に発生した扁平上皮癌に対して腫瘤の姑息的外科切除を行った後に,ヨード化ケシ油脂肪酸エチルエステルとアミドトリゾ酸ナトリウムメグルミンの添加によって吸収遅延処理したシスプラチンを用いた局所抗癌治療(CUL療法)を計18回実施した。本症例の治療経過は良好で,腫瘍の増大は非常に遅くなり,全身性の副作用も認められず,治療開始後18カ月が経過しているが良好なQOLを維持している。以上のことから,CUL療法は口腔内扁平上皮癌の増大抑制とQOL維持を目的とした治療の選択肢の1つとして有用な方法であると考えられた。
  • 渡利 真也, 川田 睦, 高橋 元, 迫矢 博誠, 横山 由紀子, 進 学之, 向野 麻紀子, 田戸 雅樹, 川岸 徳文, 辻 登, 高地 ...
    2009 年 18 巻 1 号 p. 7-10
    発行日: 2009/03/20
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    Tibial Plateau Leveling Osteotomy(TPLO)はSlocumによって開発された前十字靭帯完全または部分断裂に対する比較的新しい手術方法である。国内における本術式の予後報告は非常に少ないため,今回我々は当院へ1年間に来院した症例を対象として回顧的研究を行った。飼い主の主観的な評価に基づき跛行の回復期間の調査を行い,また前十字靭帯の損傷度,内側半月板の損傷度,Tibial Plateau Angle(TPA),手術方法(片側または両側同時)を調査して跛行の回復期間との関連性を調べたところ,両側同時手術症例では片側手術症例と比べて有意に跛行回復期間の延長が認められた。しかし,その他の手術パラメーターと回復期間に有意な相関関係は認められなかった。24例中23例において予後は非常には良好であり,残り1例も比較的良好な予後が認められた。
  • 高木 哲, 須永 隆文, 山田 佳代子, 青木 由徳, 大崎 智弘, 奥村 正裕
    2009 年 18 巻 1 号 p. 11-15
    発行日: 2009/03/20
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    8カ月間繰り返し嘔吐や呼吸困難の症状を呈した慢性外傷性横隔膜ヘルニアの2歳のミニチュアピンシャーが紹介来院した。上腹部正中切開と胸骨正中切開を併用してアプローチしたところ,右肺中葉,胸壁および回腸の重度癒着を確認した。右肺中葉の部分切除によって横隔膜ヘルニアを整復した。しかしその後肝機能低下に伴う持続的胸水,低蛋白血症および貧血などが約1カ月持続した。慢性横隔膜ヘルニア手術の実施には議論があるが,長期間放置すれば合併症も致死的になるため,早期に実施する必要があると思われた。
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