2011 年 20 巻 4 号 p. 121-124
ペットショップで飼育されている子猫における消化管内寄生虫の感染状況を明らかした。東北・関東の4ペットショップで飼育されている子猫(3カ月齢以下)186頭から糞便を採取した。ジアルジアはELISAキットで検査し,他の消化管内寄生虫はホルマリン・酢酸エチル沈澱法で検出した。ペットショップの子猫における消化管内寄生虫全体の検出率は19.4%(36/186)であり,ジアルジア(9.7%:18/186)とイソスポラ(11.3%:21/186)の2種の原虫だけが検出された。全体の検出率とイソスポラの検出率は,ペットショップ間で違いがみられた。今回の成績は,ペットショップの子猫において,原虫性消化管内寄生虫の不十分な管理や過小評価の可能性が疑われる。