動物臨床医学
Online ISSN : 1881-1574
Print ISSN : 1344-6991
ISSN-L : 1344-6991
20 巻 , 4 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
総説
原著
  • 福井 健太, 安川 邦美, 田端 克俊, 森下 啓太郎, 植野 孝志, 庄司 祐樹, 長屋 有祐, 下田 哲也
    2011 年 20 巻 4 号 p. 115-120
    発行日: 2011/12/31
    公開日: 2012/12/18
    ジャーナル フリー
    2005年11月~2010年7月までに,縦隔型リンパ腫と診断した猫10例に,犬のUniversity of Wisconsin-Madison chemotherapy protocol(UW25)に準じたプロトコールを行い,完全寛解率,生存期間ならびに抗癌剤の副作用について調査した。完全寛解率は90%と非常に高く,生存期間は1年未満が6例(現在生存中1例含む),1年以上2年未満が1例(現在生存中),2年以上3年未満が1例(現在生存中),3年以上が2例(現在生存中1例含む)と長期の生存期間が得られた。副作用の程度は軽度であり対症療法により回復した。このプロトコールでは25週の治療期間中に再発がみられなかった場合,過去のCOP療法の報告と比べ非常に長期の生存期間が得られることが証明された。
  • 伊藤 直之, 金井 一享, 近澤 征史朗, 堀 泰智, 星 史雄, 樋口 誠一
    2011 年 20 巻 4 号 p. 121-124
    発行日: 2011/12/31
    公開日: 2012/12/18
    ジャーナル フリー
    ペットショップで飼育されている子猫における消化管内寄生虫の感染状況を明らかした。東北・関東の4ペットショップで飼育されている子猫(3カ月齢以下)186頭から糞便を採取した。ジアルジアはELISAキットで検査し,他の消化管内寄生虫はホルマリン・酢酸エチル沈澱法で検出した。ペットショップの子猫における消化管内寄生虫全体の検出率は19.4%(36/186)であり,ジアルジア(9.7%:18/186)とイソスポラ(11.3%:21/186)の2種の原虫だけが検出された。全体の検出率とイソスポラの検出率は,ペットショップ間で違いがみられた。今回の成績は,ペットショップの子猫において,原虫性消化管内寄生虫の不十分な管理や過小評価の可能性が疑われる。
  • 才田 祐人, 高島 一昭, 山根 剛, 西川 和男, 西尾 達也, Hiroaki OKANO, 山根 義久
    2011 年 20 巻 4 号 p. 125-130
    発行日: 2011/12/31
    公開日: 2012/12/18
    ジャーナル フリー
    プラズマクラスターイオン®(PCI)は,種々の細菌およびウイルスに対して有効性が認められている。しかしながら,臭気および動物飼育環境中の細菌に対する有効性に関しては不明であるため,実験ボックス内においてアンモニア付着臭に対するPCIの効果を検証し,さらにビーグル犬を用いて動物飼育環境におけるPCIのアンモニアおよび細菌に対する有効性を検討した。その結果,実験ボックス内においてPCI 25,000個/cm3ではPCI発生後から45分で発生前と比較して有意にアンモニア濃度の抑制を示した(p<0.01)。また,動物飼育環境におけるアンモニア濃度は,PCI発生後2週で発生前の50%以下に軽減され,その後も時間経過とともに減少がみられた。さらに,浮遊菌のコロニー数は,PCI発生後に軽減し,停止後には増加するという変化を示した。以上より,PCIは動物飼育環境中を衛生的に保つ上で有用であることが示唆された。
  • Masahiko TAKENAKA, Kazuaki TAKASHIMA, Hajimu KURUMATANI, Nobutaka IDA, ...
    2011 年 20 巻 4 号 p. 131-139
    発行日: 2011/12/31
    公開日: 2012/12/18
    ジャーナル フリー
    Objective : Since the sensitivity to prostacyclin differs widely depending on the animal species, it is essential to investigate the dose setting from the safety point of view before using beraprost (BPS) in diseased cats.
    Design : One week multiple administration toxicity study of BPS (10, 30, 70, 100 μg/kg, twice a day) compared with vehicle as control.
    Procedure : BPS group (n=6) at 10, 30, 70 and 100 μg/kg and vehicle group (n=5) were administered to healthy cats twice a day for 7 days. Both in BPS and vehicle groups, cessation period of the drug was provided 2 weeks between each doses of BPS. In addition hemodynamic parameters were also noted at 0.5 hour before initial administration on the first day and at 1 hour after final administration on the 7th day of each dose of BPS and vehicle.
    Results : Though BPS from 30 μg/kg upward transiently and dose-dependently increased the heart rate but had no influence on the blood pressure. Compared with the vehicle group, serum creatinine slightly but significantly decreased at 70 and 100 μg/kg and this decrease was also significant against the pre-administration value at the same dose. The influence of BPS on the blood parameters was nil or negligible, if any. Diarrhea were sporadically noted at 70 μg/kg, and mild and transient vomiting and sedation occurred at 100 μg/kg. However, each symptom soonerly disappeared without treatment.
    Conclusion : The pharmacological action and types of adverse effects of BPS in the cats were almost similar to those observed in other animals and the repeated oral administration of BPS can be safely conducted in cats at least up to 30 μg/kg twice a day.
症例報告
  • 松本 英樹, 掛端 健士, 花田 憲正, 伊藤 正勝, 稲船 清英, 星野 佐登志, 磯村 洋
    2011 年 20 巻 4 号 p. 141-148
    発行日: 2011/12/31
    公開日: 2012/12/18
    ジャーナル フリー
    12歳の雌のシー・ズーが,左前腕骨の腫脹を主訴に来院した。X線検査および細針吸引生検により傍骨性骨肉腫と仮診断した。第10病日に左前肢の断肢術を実施した。病理検査結果により骨膜性骨肉腫と診断された。断肢術後にカルボプラチン投与を実施したが,断肢術後557日の胸部単純X線検査で肺転移とみなされる2つの陰影が認められた。腫瘤は徐々に拡大し,発咳もみられるようになったので,断肢術後725日に左肺前葉の肺葉切除術を実施した。術後の経過は良好であったが,肺葉切除後73日目で肺全域に小さな結節性腫瘤が多数形成されていた。肺葉切除後6カ月間は発咳もほとんど認めずQOLは維持されていたが,徐々に発咳の頻度が増加し肺葉切除後230日目 (断肢術後955日目)に死亡した。
feedback
Top