抄録
犬のブドウ膜炎の臨床例に対する0.05%ジフルプレドナート点眼液の有効性および安全性を評価した。本剤の投与は,33 例に実施したが,試験計画不遵守症例を除いた 26 例を有効性の評価対象とした。有効度評価では,著効例が 20 例(76.9%),有効例が 5 例(19.2%),無効例が 1 例(3.8%)となり,累積有効率は 96.2%と高い有効性が認められた。眼圧は,点眼開始前は 10.1±3.8mmHg(mean ±SD),点眼後7±2日では12.8±2.9mmHg,14±3日では 14.4±9.4mmHg と,点眼開始前と比べそれぞれ有意な上昇が認めらたものの正常値の範囲であった。有害事象として,点眼時の刺激と眼圧の上昇が各 1 例に認められ,本剤による副作用と考えられた。以上のことから,0.05%ジフルプレドナート点眼薬は,ブドウ膜炎の治療薬として高い有効性が示されたが,眼圧の上昇に十分な注意が必要であると考えられた。