本研究の目的は,歩行時の荷重測定を用いて術後機能回復の経過を把握することの有用性を動物看護の視点から検討することである。研究方法は,健常犬3事例と膝蓋骨内方脱臼の手術を行った犬3事例の術後歩行における肢にかかる荷重の測定結果を比較した。さらに,術後と退院前の荷重の変化を比較した。その結果,個別性のある機能回復の経過を把握することができた。手術部位が両側か片側か,手術時の年齢などの違いによって回復の経過が異なること,さらに,視診と異なり客観的に評価出来た。よって,比較的簡易に測定できる荷重の測定は,術後の経過やリハビリの成果など個別の回復を把握するために,動物看護師の観察の客観的なツールの1つとして有用である。