2015 年 24 巻 3 号 p. 124-127
当院で2012年度に臨床症状,犬膵特異的リパーゼ(Spec cPL)の高値より急性膵炎と診断した20例の犬を対象に回顧的調査を行った。Spec cPLと犬リパーゼ活性(v-LIP)の間に有意な相関を認め,ベッドサイドにおける急性膵炎の評価にv-LIPは有用であると考えられた。またv-LIPは急性膵炎単独の症例と比較し,併発疾患を伴う症例では治療による数値の下降は長期間を要する傾向にあった。CRPは初診時に低値を示したが翌日以降上昇する例が散見され,初期病態の評価には注意が必要であることが示唆された。