抄録
出血傾向を伴う重度な血小板減少症を呈し,骨髄検査を含む各種臨床検査により免疫介在性血小板減少症と診断した犬2例に対して,プレドニゾロンとシクロスポリンによる免疫抑制療法を実施した。症例1は寛解後,プレドニゾロンを休薬しシクロスポリン単独投与による維持療法において再発した。プレドニゾロンの再開で再寛解し,シクロスポリンをアザチオプリンに変更するもプレドニゾロンを減量すると再発した。そこでアザチオプリンをレフルノミドに変更したところ,プレドニゾロンの休薬が可能となり,レフルノミド単独投与により寛解が維持されている。症例2は寛解後,プレドニゾロンを休薬し,シクロスポリン単独投与による維持療法中に歯肉増殖症を発症したため,シクロスポリンをレフルノミドに変更したところ,歯肉増殖症は消失し,レフルノミド単独投与により寛解が維持されている。