動物臨床医学
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症例報告
頻回のG-CSF投与とミコフェノール酸モフェチルが有効であった再生不良性貧血の犬の1例
森本 寛之安川 邦美小路 祐樹羽迫 広人中村 勇太片山 龍三西森 大洋下田 哲也
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2016 年 25 巻 4 号 p. 143-147

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抄録

元気食欲の低下および右鼠径部の紫斑を呈した2歳齢の雄犬が紹介来院した。各種検査より特発性再生不良性貧血と診断し,ステロイドパルス療法,顆粒球コロニー刺激因子,ミコフェノール酸モフェチルによる治療を行った。第20病日,血小板数の軽度増加および好中球数の増加が認められたが,PCVは11%と急激に低下し,球状赤血球が多数出現していたことから,免疫介在性溶血性貧血(IMHA)の併発と考えた。IMHAの治療のためにヒト免疫グロブリン製剤を投与し,ミコフェノール酸モフェチル(MMF)投薬中にIMHAが発症したため,アザチオプリンに変更したところPCV,好中球数,血小板数ともに正常値になり,現在も良好に推移している。

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